保存不可能な破折歯を抜歯後行ったインプラントの治療症例
保存不可能な破折歯を抜歯後行ったインプラントの治療症例
▼こちらの患者様は、左下奥歯の痛みを主訴に来院されました。
視診、触診、エックス線検査、CT画像検査により黄色→部に破折線を確認、「歯根破折」と診断しました。保存困難なため、抜歯後にインプラント・入れ歯等で咬み合わせの修復をご提案しました。一生もつわけではない等のリスクを確認していただいた上で、患者様はインプラントでの治療をご希望されました。
※破折した歯により赤丸の部分の骨が溶けてしまっているのが確認できます。
インプラント手術前に骨を増やす治療を実施
抜歯した部分の骨量が減っているため、インプラント埋入手術の前に骨を増やす治療を行いました。インプラントを埋入する骨の形態を整えることで、インプラント治療後のお手入れがしやすくなり、インプラントの長期維持が見込めます。
【骨造成手術】治療回数:1回/治療期間:4ヶ月/
治療期間 | 4ヶ月 |
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治療回数 | 1回 |
治療費 | 55,000円(税込) |
リスク・注意点 | ・十分な骨が造成できない場合がある |
骨量が増えたことを確認
骨造成術によって、赤丸の部分に骨ができているのが確認できました。
コンピューターガイデッドサージェリーの実施
インプラントは手術の安全性、審美性、持続性が求められます。そのため当院では、コンピューターガイデッドサージェリーを行っております。
コンピューターガイデッドサージェリーとは、歯科医師がコンピューター上で専用ソフトを使用し、安全性、審美性、持続性を考慮したインプラント治療を計画します。その後、そのデータを基にデジタル専門の歯科技工士が3Dプリンターやミリングマシンなどを用いて手術用サージカルガイドを作成し、歯科医師がそれを用いて安全にインプラント手術を行うというものです。
歯のクリニック東京では、歯科医師とデジタルと歯科技工士との連携が院内で確立しております。
コンピューター上でシミュレーション
口腔内スキャナーという小さなカメラで撮った歯の表面データ(STLデータ)とCT撮影データ(DICOMデータ)を重ね合わせて、コンピューター上でシミュレーションを行いました。
インプラント埋入手術の計画
最終的な審美性、噛み合わせ、持続性を考慮したかぶせ物の位置を決定します。そのかぶせ物の真ん中を貫くポイントをインプラントの埋入位置とし、そのうえでインプラントの安全な長さや太さなどをコンピュータ上で設計していきます。
サージカルガイドの作成
歯科医師により設計されたサージカルガイドのSTLデータを作成し、技工所へ送ります。そのSTLデータを元にフルデジタル化された当院技工所で歯科技工士(鳴澤)が、実物のサージカルガイドを作成します。
インプラント手術の実施
作成されたサージカルガイドを用いて、リスクを抑えたインプラント手術を行います。当院では作成したサージカルガイドの使用に加え、小まめにドリル穴の深さを確認、さらに、計画した長さより深く掘れないようなストッパーを設置しながら、絶対的に安全な術式を用いております。
骨との固定の指標であるISQ値が78という良好な数字でしたので、手術当日に仮歯まで入れることができました。
インプラントの埋入完了
最終的な上部構造(人工歯)を装着して治療完了
上部構造を装着後、咬みあわせの最終調整を行い、治療完了です。
こちらの症例は歯型の採取など、すべてデジタル機器を用いて行いました。非接触型の小さなカメラのようなもので型をとっておりますので、通常の歯科医院で使用するピンクの粘土のような型取り等は一切なく、嘔吐反射が強い方なども快適な型取りが行えます。
当院では患者様と接している時間以外にもかなりの準備をし、治療の質を上げ、痛みの軽減は勿論、スピードや見た目などにも徹底的にこだわって治療にあたっております。
治療期間 | 3ヶ月 |
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治療回数 | 3回 |
治療費 | 517,000円(税込) |
リスク・注意点 | ・歯周病治療(定期的歯石取り)を怠ると、インプラントが感染し、除去しなくてはいけなくなる。 ・一生もつわけではない。 |