抜けたまま放置は絶対NG!歯が欠損した時の治療法とは?
歯は、口腔内だけでなく全身の健康にも影響を及ぼす重要な器官です。
噛む・話すといった基本的な機能はもちろん、食事の楽しさや日常会話の快適さにも深く関わっています。そのため、1本でも歯を失うと、機能的・心理的に少なからず影響を受けることがあります。
事故や虫歯、歯周病など、歯を失う理由はさまざまです。そうした場合でも、適切な治療法を選択することで、これまでと変わらない生活を目指すことができるケースもあります。
このページでは、欠損した歯の機能を補い、口腔内のバランスを整えるための治療法をご紹介しています。それぞれの治療法には特長や注意点があり、ご自身の状態に合った選択肢を知っておくことが、将来の備えにつながるかもしれません。
歯が欠損する理由とは
虫歯の重度進行
虫歯は、細菌感染によって歯質が脱灰・崩壊する疾患で、進行すると歯髄(神経)にまで感染が波及します。歯髄壊死が起こると歯の内部の血流・栄養供給が停止し、根尖病変(歯の根の先端に膿の袋ができる状態)を伴うことがあります。感染が歯槽骨にまで及ぶと、骨吸収や慢性的な炎症により、歯の保存が困難となり抜歯に至ります。
歯周病(歯周炎・歯肉炎)
歯の喪失原因として最も多いのが歯周病です。これは、歯周病原菌が歯肉や歯根膜、歯槽骨などの支持組織を破壊する慢性疾患です。進行すると、歯周ポケット内で細菌が増殖し、骨が溶かされて歯が支えを失います。日本人の成人の約8割が罹患しているとも言われており、重症化すると歯の自然脱落や抜歯に至ります。
外傷(事故・スポーツなど)
転倒や交通事故、スポーツ外傷などによって歯や歯根に強い外力が加わると、歯冠破折や歯根破折、脱臼などが発生することがあります。特に歯根に及ぶ破折は予後が悪く、抜歯が不可避となる場合もあります。
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)
就寝中や日常生活で無意識に行われる歯ぎしりや強い咬合圧による食いしばりは、歯に過剰な機械的負荷をかけ続ける習慣です。長期的には、咬耗やクラック(ひび割れ)、さらには歯根破折を引き起こすリスクが高く、保存が困難となるケースもあります。歯根破折が生じた場合、多くは抜歯になるのが現実です。
欠損したまま放置するリスク
歯を失っても「問題ない」と考えていませんか?
実は、たった1本の欠損でも、口腔全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
歯を失ったまま放置することは、見た目や噛み合わせにとどまらず、最終的には他の歯がさらに抜けてしまうリスクを引き起こすのです。
以下に、欠損を放置することによって引き起こされるリスクを詳しく解説します。
残った歯の負担の増加ー更に歯を失うリスクが増える
歯が1本欠けると、その隣の歯が次第にその空間に移動し始めます。これを「挺出」と呼びます。歯が本来あるべき位置から浮き上がることで、かみ合わせのバランスが崩れ、噛む力が不均衡に分散されるようになります。その結果、残っている歯に過度な負担がかかり、歯の摩耗や破折、さらには歯周病を引き起こし、さらに歯を失ってしまいます。
また、かみ合わせの不調和は、食事の際に噛む力が偏って歯や顎関節に痛みを引き起こす原因となり、日常生活の中で不快感を増大させます。
歯並びの悪化ー噛み合わせが乱れ食事や会話が不便に
欠損した歯をそのままにしておくと、隣接する歯がそのスペースに移動し、傾いたり歯並びが乱れたりします。この結果、見た目の問題だけでなく、かみ合わせが悪化し、全体の口腔機能に支障をきたします。歯並びが崩れることで、食事や会話にも不便を感じるようになることがあります。
歯並びが悪化すると、ブラッシングが難しくなり、さらに虫歯や歯周病のリスクが高まります。このように、早期の治療によって歯並びを保つことが、全体の健康に繋がるのです。
骨が減少ー将来の治療の選択肢が減る
歯が抜けたままでいると、歯を支えていた歯槽骨には噛む力が伝わらなくなります。これにより、歯槽骨が次第に萎縮し、「骨吸収」が進行します。骨吸収が進むと、顔の見た目にまで影響が出ることがありますし、インプラント治療が難しくなったり、顎の形状に変化をきたしたりするリスクもあります。
骨が減少することは、将来的に治療選択肢を狭めることに繋がり、特にインプラント治療を行う際には、骨移植など追加の手術が必要になる場合があります。これらは患者様にとって、時間とコストの負担が大きくなる要因となります。
歯が欠損した際の治療法
歯が欠損した場合、一般的な治療法として以下の3つが選択肢となります。
① 部分入れ歯
欠損した歯に隣接する歯にクラスプ(フック)をかけて支える、取り外し可能な部分的な入れ歯です。
② ブリッジ
欠損した歯の両隣に被せ物を作成し、その間にダミーの歯を設置する方法です。
③ インプラント
チタン製のネジを顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。
さらに、院長・吉橋はインプラント/ブリッジ/入れ歯に続く
第4の選択肢「自家歯牙移植」 を確立しました。
世界で唯一、吉橋が成し遂げた“第4の選択肢”
親知らずや、矯正で抜歯予定だった歯を利用し、失った部位に再移植することで再び自分の歯で噛めるようにする――それが「自家歯牙移植」という治療法です。
歯の再利用という理想的な治療でありながら、実際にはほとんど提案されてこなかった理由。
それは、この治療が極めて難易度の高い領域であり、成功してもなお「歯根吸収」「アンキローシス(癒着)」といったコントロール困難なリスクを伴うからです。
さらに、この治療には100年以上にわたって解決されなかった3つの壁が存在しました。
- 精密な計画が立てられない
- 骨を設計どおりに削ることができない
- 移植した歯の神経が生き残らない
吉橋は、これらの課題すべてに挑み、そして克服しました。
院長吉橋だからこそ行える、自家歯牙移植
「シュミレーション×NYドリル×NYオステオトーム×NY模型×歯牙レプリカ×幹細胞移植」
複合的かつ革新的なアプローチを駆使し、100年の壁を破る新たな治療技術を、世界に先駆けて完成させました。
院長・吉橋が行う自家歯牙移植――それは、インプラント・ブリッジ・入れ歯に続く“第4の選択肢”として、歯の保存分野で世界最高峰の学術誌『ジャーナル・オブ・エンドドンティックス』に掲載(2025年)され、国際的にも認められています。
100年越しの壁を突破――当院が見出した解決策

『Feasibility and Outcomes of Cell-based Regenerative Endodontic Therapy in Postautogenous Transplantation of a Mature Tooth: A Case Report..』
Yoshihashi N. J Endod. 2025 Jan;51(1):85-93
著:吉橋典章
【課題①】綿密な術前計画を立てられない
経験に依存したフリーハンド手術では、切削位置や深度の誤差が生じるのは避けられません。結果的に、予定どおりに移植窩を形成できない症例が課題とされてきました。
▼ 解決策① CT×3Dシミュレーションで“見えない”を可視化
CTデータをもとに三次元画像を構築し、移植窩(しょくか)を精密に設計。
設計データを基に3Dプリンターで*実寸の模型(NY模型)*を作製し、術前に親知らず・小臼歯の向きや回転角を徹底的にリハーサルします。
手術前にこの模型上で実際の操作を再現できる「NYモデル」を活用することで、安全性の確認と手技の最適化を事前に完了。これにより想定外のリスクを限りなく排除し、患者様にも安心して手術に臨んでいただけます。
手術当日は事前シミュレーション通りの”トレース”により、切削時間を大幅に短縮。患者様の負担となる痛みや腫れも最小限に抑制します。
【課題②】計画を精密に再現する器具が存在しない
従来の一般ドリルは振動が大きく、刃先のぶれによって予定以上に骨を削ってしまいます。
こうして生じた『想定外のすき間』が、移植後の歯の揺れや脱落という深刻な問題を引き起こしていました。
▼ 解決策② 特許取得ドリル&移植歯レプリカで設計を正確に“骨”へ写す
院長・吉橋が独自開発した特許取得ドリルとオステオトームは、当院以外で現在も行われている、“手の感覚だけ”で骨を削っている不正確で危険性の高い歯牙移植に対する強い問題意識から誕生しました。
当院では、これらに専用サージカルガイドを組み合わせ、
移植の角度・深度をミリ単位で確実にロック。術前の設計を、精密かつ安全に骨へと再現します。
さらに、ドナー歯(親知らずなど)と同形状のレプリカによる事前に適合確認で、ドナー歯の危険な口外暴露時間を短縮。歯根膜の乾燥を防ぎ、移植失敗の最大要因である歯周組織の不完全な再生・歯根吸収・アンキローシス(癒着)といった移植失敗の主因を劇的に抑制しています。
加えて、当院では術前に*NYモデル(3D実寸模型)*を用い、実際の手術と同様の工程を事前に再現。この工程により、シミュレーション通りの安全なオペが実現され、患者様にとっても安心感のある治療を提供しています。
【課題③】移植後に神経が失われる
従来の移植では血流が戻らず歯髄が壊死し、『枯れ木のように死んだ歯』となって痛覚や温度感覚が完全に失われる症例が数多く報告されていました。
この状態では長期的な安定は望めず10年以内に半数以上が抜歯相当の状態(ステージ3)、せっかく移植した歯を最終的に失ってしまうという深刻な課題がありました。
歯のステージについてはこちら → あなたの歯はどのステージ?
▼ 解決策③ 歯髄幹細胞が血管と神経を呼び戻す
移植後の歯髄壊死を防ぐため、当院では歯髄幹細胞再生治療を導入しています。幹細胞が新しい血管と神経のネットワーク形成を積極的に促進。
痛覚や温度感覚が確実に回復し、患者様が抱える『いつかダメになるのでは』という再治療への不安を完全に払拭します。
他のどこでも受けることのできない治療が、ここにあります。
「抜歯」という宣告を、「再生」という選択肢へ――
この扉を開けられるのは、当院だけです。
“自分の歯”で噛む未来を支える実績
当院は20年以上、保存不能と診断された歯を救う取り組みを続けてまいりました。2025年現在も症例数は増加し続け、同レベルの再生・移植を提供できる医院は全国でもわずかです。
治療の選択に「正解」はありません。
ただし、咬合・審美・感覚を同時に回復できれば、「自分の歯で食事を楽しめる」という日常を取り戻していただくことが可能です。
だからこそ、ご自身の価値観に最も合ったものを「納得してお選びいただけること」が、すべての患者様にとって最善の道だと考えています。
より詳しい情報にご興味があれば、ぜひ以下の動画をご視聴ください。
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当クリニックは、自費専門・完全予約制のクリニックです。
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