抜けたまま放置は絶対NG!歯が欠損した時の治療法とは?
歯は口腔内のみならず全身の健康を支え、さらには会話や食事などの質を大きく左右し、日々の生活に欠かせません。しかし、時には事故や虫歯などの理由で、歯が欠損することがあるのも現実です。そんな時、適切な治療法を選ぶことで、生活の質をそのまま維持できる可能性があります。
本記事では、欠損した歯を補い、口腔機能を回復させるための主な治療法を詳しくご紹介します。万が一に備え、歯を失った際の治療の選択肢について詳しく理解しておきましょう。
歯が欠損する理由とは
虫歯
虫歯は、感染が進行すると歯の神経にまで達し、最終的に神経の壊死を引き起こす歯科疾患です。神経が壊死すると、血液や栄養の供給が停止し、頭蓋骨を溶かしてしまいます。この状態になってしまうと、抜歯の可能性が高まります。
歯周病
歯の喪失原因として最も多いのは、細菌が歯周組織を破壊する歯周病です。歯周病に罹患した場合、歯科医院で治療を受け進行を遅らせます。
歯周病が進行すると、歯周ポケット内で繁殖した歯周病菌が、歯を支える骨や、骨と歯をつなぐ歯根膜などの支持組織を破壊します。これにより、次第に歯を支えられなくなってしまい、抜歯が適応されるのです。
事故や外傷
事故や外傷によって歯に強い衝撃が加わることで、歯や歯の根っこに大きな欠けや割れが生じ、やむを得ず抜歯することもあります。
歯ぎしりや食いしばり
無意識のうちに歯を強く食いしばったり、歯ぎしりをしていたりする場合も、歯の欠損につながりやすいです。歯ぎしり・食いしばりは、長期間続くことで歯に過度な負担がかかるため、割れや欠損を引き起こす可能性があります。特に、歯の根っこが割れてしまう「歯根破折」が起こってしまうと、歯の保存が困難であるため抜歯の可能性が高くなります。
先天的な欠損
遺伝的な要因により、生まれつき歯が欠損している方も少なくありません。先天性欠如歯とも呼ばれるこの状態は、本来歯が生えるべき場所に歯が存在せず、歯並びやかみ合わせに影響を及ぼすため、発見した段階で適切な治療が必要になります。
欠損したまま放置するリスク
では、歯の欠損を放置すると、どのような現象が起きるのでしょうか?以下に、歯の欠損を放置した際のさまざまなリスクを解説します。
かみ合わせの崩壊
歯の欠損をそのままにすると、かみ合わせのバランスが崩れることがあります。これは、元々かみ合っていた歯が、欠損した対向の歯を失うことで、歯が少しずつ浮いてくる「挺出」という現象が起こるためです。この挺出は、歯が骨から少しずつ抜け出るような状態を指し、進行すると、歯がぐらついたり動いたりすることがあります。この状態を放置すると動揺が増し、歯の安定性やかみ合わせを悪化させる可能性があるのです。
また、かみ合わせが崩れると、噛んだときに力が歯列全体に分散されず、特定の歯に過度な力がかかることで、歯の摩耗や破折、そして痛みが起こる可能性があります。
歯並びが悪くなる
歯の欠損があると、隣の歯が次第に欠損したスペースへ移動したり、傾いたりして歯並びの悪化を招きます。ただ見た目が悪くなるだけでなく、かみ合わせにも悪影響を及ぼすため、歯を欠損した場合には、必ずそのスペースを何らかの治療で補完しなければいけません。
骨(歯槽骨)が痩せてくる
を支えている歯槽骨には、噛んだときに伝達されている刺激が、歯の欠損により消失することで、少しずつ痩せて衰える「骨吸収」という現象が起こります。骨吸収によって骨の量が減ると、しわやたるみの原因になったり、インプラント治療の適応外になったりするため、非常に大きなリスクと言えます。
歯が欠損した時の治療法
歯が欠損した時の治療法としては、以下の3つが一般的です。
①部分入れ歯:欠損した歯に隣接する歯へクラスプ(フック)をかけて支える、取り外し可能の部分的な入れ歯。
②ブリッジ:欠損した歯の両隣にある歯に被せ物を作製し、その間にダミーの歯を設置する補綴物。
③インプラント:チタン性のネジを顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を被せる治療。
しかし、第4の選択肢として「自家歯牙移植」という治療があります。
この自家歯牙移植とは、親知らずや埋伏歯などの不要な歯を、欠損した部位に移植する治療方法です。自身の歯を使用して歯を補完できるため、外観や機能を天然の歯とほぼ同様に回復できます。
治療法としてはあまり知られていない自家歯牙移植ですが、現在は術式や術後の処置方法が確立さつつあり、成功率および生存率も上昇しています。
自家歯牙移植が他の治療法と大きく異なるのは、「歯根膜を残せる」という点です。歯根膜は、歯と歯槽骨をつなぐ組織であり、噛んだときの圧力を吸収して分散するクッションの役割と、噛んだときの硬さを脳に伝えるセンサーの役割があります。歯根膜がもつこれらの重要な機能を残しながら、欠損した歯を補える治療法は自家歯牙移植だけです。
歯牙移植に際して、歯の神経はどうしても抜く必要はありますが、歯根膜の機能があることから、矯正治療で歯を動かしたり、歯に負担をかけないよう噛む力を調整したりもできます。
自家歯牙移植は、患者様にとっても非常にメリットの大きい治療法です。自家歯牙移植が適用かどうかは、骨や歯の形態によっても異なるため、検討される際にはまず歯科医師による診断を受けましょう。
まとめ
歯の欠損は、健康や見た目に大きな悪影響を及ぼす問題です。しかし、現代の歯科医療では、部分入れ歯をはじめ、ブリッジやインプラント、歯牙移植など、欠損した歯を補完し、自然な笑顔と十分な機能を取り戻す治療法が多く存在しています。
歯を失ってしまった際、放置してしまうと様々なリスクが生じるため、なるべく早めに歯科医院で治療を受けましょう。それぞれの状況や経済的な希望に応じて、自身に合った適切な治療を選択することが大切です。
当院の院長(理事長)は、歯牙移植について動画で発信をしております。
治療の選択肢に正解はありません。唯一あるとすればそれは自分の価値観に合った治療選択ができることだと思います。その為には患者様自身が商業的でない【治療の本質】をより理解する必要があり、ぜひ以下の動画をご視聴の上、ぜひご来院ください。
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